人名反応に学ぶ有機合成戦略



人名反応に学ぶ有機合成戦略
人名反応に学ぶ有機合成戦略

商品カテゴリ:物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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良書だが鵜呑みは禁物

 他の方々のレビューどおり、250個もの人名反応が見開き2ページにまとまられている。しかも原著(12500円)より安い(8500円)! 
 しかし、原著では三分の一近くを占める参考文献と索引がすべてCD-ROM化されてしまっている。価格設定上、仕方ないことかもしれないが、これでは非常に使いにくい。よほど英語に不自由ならばともかく(そんなバカなw)、研究者を目指す読者ならば原著を選んだ方が後々役に立つんじゃないだろうか。
 もちろん、日本語なので手軽であることは間違いない。研究室等で1日1反応ずつ輪読するとか、活用法も多いと思われる。反応機構も最近の知見までよく調べられているが、まれに明らかに変な記述もある(構造式の間違いもあったりする)。鵜呑みにせずに、十分な注意を払って突っ込みを入れながら読む必要がある。
 ただし、訳はこなれておらず、誤字脱字も多い。また、原著には入っていない日本人研究者の名前が付け加えられている。大御所な先生方におもねるようで、何ともみっともなく、やり方も姑息である。原著者の了解は得ているのであろうか。勝手にやっとなると、明らかに著作権の侵害である。もうそろそろ、このような発展途上国的な所行は止めるべき時期ではないだろうか。第一、日本語版だけに付け加えられた先生方にとっても良い迷惑である。
有機合成のバイブル

古典的な人名反応から、「あれ、この反応もう人名反応になっているんだ」と思わせるごく最近のものまで、250の有用な有機反応が紹介されている。一つの反応が見開き2頁とコンパクトにまとめられているが、内容は豊富で多くの重要な情報が満載。「発見の経緯と特徴」の項ではその反応の歴史的経緯と特徴、スコープ&リミテーション、また類似の反応などが適切にまとめられているし、「反応機構」の項も図、電子の流れを多用していて、わかりやすい。なかでも「合成への展開」項は、その反応が天然有機化合物の全合成研究の中でどのように利用されたかを、複数の合成例とともに解説つきで紹介されているので、利用価値大。取り上げられている合成例はバラエティー豊かで、かつ興味深いものばかり。著者らは天然物合成で国際的な評価の高いスミス教授(米国ペンシルバニア大学)の研究室の博士課程学生であるが、さすがに着眼点が素晴らしい。これまで報告された数多くの優れた天然物の全合成研究を「人名反応」という観点から抽出・再構築した集大成ともいえる。多くの官能基がある中で、その人名反応が見事に進行する事実を学ぶことにより、新たな合成戦略のヒントを得ることもできるだろう。参考文献もその人名反応、天然物への合成適用例、さらに関連事項に関するものが多数引用されている。4色刷の構造式は視覚的にも理解しやすい。有機化学、有機合成化学を学ぶ学部4年生、大学院学生にとって欠かせないだろう。人名反応の発見年や反応様式をまとめた「付録」も役に立つ。ぱらぱらとめくって、美しい天然物合成のエッセンスを気軽に楽しむこともできるし、研究室の輪読会などでオリジナルの文献を参照しながらより深く勉強することもできる。天然物合成を志す学生、研究者だけでなく、反応開発に携わる研究者にとっても、「こういう本があれば助かる」という急所が見事に押さえられている。
即買いでしょう

大人気の英語版の和訳本。name reactionの本は数多いが、その中で最も詳しく、レファレンスのしっかりしている本がこれ。英語版でも十分読めるが、日本語版はレファレンスをCD化しているのでこれは良い!膨大なレファレンスが載っているので英語版を持っている人もその点から和書もお勧め。マーチ有機化学も和書がでて、とっつきやすくなったが、本書も和書になったことで、身近に見ることができるだろう。英語版しかない国々も多い中、日本は、英語版がすぐ和訳されるので、非常に便利でありつつも、英語を必死で読破することは少なくなり一長一短の感はある。(ポスドク中、アメリカ人の学生に、だから日本人は英語がなかなか使えるようにならないとよく言われた。)



化学同人
演習で学ぶ有機反応機構―大学院入試から最先端まで
研究室で役立つ有機実験のナビゲーター―実験ノートのとり方からクロマトグラフィーまで
Organic Chemistry
Greene's Protective Groups in Organic Synthesis
有機合成のナビゲーター




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